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とある人のコラージュ作品をじーっと眺めていると、複数の女性の顔の一部をつなぎ合わせたものに目が留まる。マスカラと相まってより長く強調されたまつ毛と菱形に近く上へ向かって切れ長に開いた瞳、その周りを囲むそばかす、顔の全容は...

1/23

今日は一日頭が重く、朝起きてからしばらくぼんやり。昼を食べることなく眠りにつき、夕方、何も成し遂げていない身体にはあまりに残酷なトーンで窓辺に迫る西日を目にし、仕方なしに読書に耽る。しかし腰が痛い。何をするにしても妨げと...

1/22

『小さいジャスコに行きたい』と彼女が歌う時、その叫びが指し示すであろう物事に頭を何度も頷かせた。ロックバンドが歩まされる歴史はその初めから敗北の歴史で、もしくは選曲を任された蓄音機としてドサ周りを繰り返す興業楽団としての...

1/12

いつかは私のすべてが(みじめな)おじさんの道楽として人々に理解されてしまうのだろうか。 だらしなく、大学を何度か留年している。学生最後の年、溜まり場にしていたファミレスにふらっと立ち寄った時、サークルの現役生の集まりに出...

1/11

ホラーゲームが好きだったが、ゲーム機が高価になるにつれ、ゲーム自体も複雑な操作性を帯びていくため、ハイティーンのとある段階で友人のゲームを視聴するだけの人間に成り下がった。 SIRENというゲームは、ゾンビゲーム全盛期(...

1/10

街灯の真下へ辿り着くごとに、私たちは顔を見合わせてお互いに笑いかける。 新月の夜に与えられる仕事は少ない。木々をひとしきり物色したのちに飛び去る。言葉巧みに彼女を誘い出したはいいが、ヘリポートにはシワだらけの背広を着た男...

1/8

昨日は実に、久しぶりに、9年ぶりくらいに、人前で自分の作った楽曲を披露するという機会を(珍しく自分から申し出て)いただき、見事!大火傷を負って帰ってきた。人前で歌うことの難しさを痛感し、ミュージシャンの方々への尊敬を、逆...

1/2 夜

突然羽を失ったような心地がある。今までこの掌が掻き、羽ばたいているような心地がしていたその場所が空でもなく、果たして瞳が受け入れ認めていた光という存在も心もとなくなり、私はハンドルを握ったままギアを微動だにさせず、その場...

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年が明けた。旧年中は身内は誰も死んでいないため、このように発話できる。「あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いいたします」 日本国民のほとんどの人が休みに入っているかのような印象を受ける。年末年始だけはさす...