ブレンド チポラ

ブレンド 
チポラ

味わい

酸味 ★★★☆☆
コク ★★★☆☆

苦味 ★☆☆☆☆
甘み ★★★☆☆

おすすめの飲み方

ホットコーヒー
エスプレッソ

おすすめのお茶請け

スパイスの効いた焼き菓子、ショートケーキなどの生菓子、和菓子

産地

エチオピア
コロンビア
(ブレンドを構成する産地は予告なく変更することがあります。)

価格

100g ¥600
200g ¥1100
500g ¥2500
(価格はすべて税込みです。)


映画を観る一番の理由は、映画が、まったく馴染みのない知らない世界――見たこともない葉っぱや樹皮を持つ木々、間の抜けた汽笛を鳴らす列車、その国で好まれる意匠をあしらった窓枠と、その内側の食卓に並ぶ、味の想像がつかない色をした料理などにとり囲まれた世界を、目の前いっぱいに展開してくれることです。
聞こえ良く言えば、海外の日常を疑似体験できる、とかなんとか言えるのでしょうが、要は『突撃!隣の晩御飯』、覗き趣味の充足ですね。すごく聞こえが悪いですね。
フィクションであるとはいえ、どこかの国の知らない誰かの生活、諍いや哀しみ、キッチンでの立ち姿、牛乳瓶の形――、それらの情報が一度に、スクリーンやテレビに向かってぼけっと口を開けている私の元に届けられるのですから、映画とは、なんて便利な、それでいてなんと罪作りなメディアであろうかと、ポテトチップスの袋に手を伸ばしつつ感嘆したりします。

ブレンド チポラでイメージしたのは、見知らぬ海沿いの街に訪れる、くっきりとした鮮やかなトーンの夕焼けと、それを見計らって、どの家の男たちも揃って表に出て椅子に腰かけ、物思いに耽るという光景です。
石畳が不規則に敷かれ、緩急の激しい坂に面した通りに座って、男たちは眼下に広がる海に、今まさに沈もうとしている太陽に片頬を焼きながら、さまざまのことを考えるのです。
この町にやってくる前の根城のこと、これから向かうであろう場所のこと。
何が彼らの心を訪れているのでしょう。
案外、しょうもないことを考えているのかもしれません。
消しゴムを最後まで使い切ったことないなあ、とか。
ですが、一日の中に誰のためでもない、もしかしたら本人のためですらない時間が少しだけ存在することで、人は再び腰を上げ、人間社会の中で、各々の役割を全うすることができるのではないでしょうか。
私はそう思うのです。

ブレンド チポラの核となるのは、雑味を限界まで取り除き、柔らかく清らかに仕上げたエチオピアです。
ここにマイルドなコロンビアを加えて味の奥行を出しました。
コーヒーノキの原産地だけあって、 エチオピアで収穫されるコーヒー豆の風味は、 これだけ世界各国でこぞってコーヒーが生産されるようになった現在でも、他の追随を許さない独特のものがあります。コーヒーカップの中から漂う香りは、まるで遠く離れた異国の地から漂ってきているような錯覚すら覚えます。
カップ一杯のコーヒーで、あなたをどこまで遠くに連れていけるのか。そういったことをテーマに拵えたブレンドです。
カフェオレやアイスコーヒーには不向きで、アレンジの汎用性はありませんが、体調や気分に左右されず毎日飲める、柔らかい酸味とほのかな苦味の、あっさりすっきりとしたコーヒーです。
ブラックのまま、もしくは、ほんの少しのザラメを溶かしてお召し上がりください。

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