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ベトコンラーメンってありますよね。あるんです。一回で変換できなかった。
もしかしたら愛知県、岐阜県にお住いの方以外はご存じないかも。合法性を疑うレベルの揚げニンニクとニラが入ったラーメンです。奥さんを連れて行ったら、おしゃれなランチを期待していたそうで、とにかく恨まれました。
ベトコンラーメンの「ベトコン」の名称が、ベトナム戦争時の南軍の通称に由来しているのはまずいだろうということで、今は「ベストコンディション」の略称が由来という建付けになっているそうです。で、ベストコンディションってなんやねん、ということを思いましてね。

春じゃないですか。季節は。今日はたまたま寒かったね。でも春。あったかいよね。
変態が家から出てくる季節、なんて聞いたりしましたけど、たしかにどうも調子が狂う。
なんにも、なんにも思わないで生きているのに、なぜか川沿いの街灯に照らされた桜なんか見て、心動かされて、立ち止まって、写真を撮ったり、ため息をついて眺めていたり、するんだな。最近。これが、k…こころ…?と思う。36年間も生きてきたのに、毎年この季節に心みたいなもののうごめきに驚く。いい加減慣れたいね。

で、ベストコンディション。どっちなんでしょう。わき目も振らず、寝る前に決めたタイムテーブル通りに仕事をこなして想定時間内に寝床に入る方が、身体的にはベストコンディションですよね。
でも人は、パンのみにて生くるものにあらず、というではないですか(後の句のことは完全無視します)。だから生活に必要なもの以外の、あらゆる物事の訪れを祝福し、心をワキワキ動かして生きていきたいなあなどと、思うわけですが、いざ動くと、もう煩わしくてしょうがない。なんだこれ。Tシャツの首元にあるタグみたいなやつだな。心。
煩わしい。だけど一度、動き出してしまった心をその両手に抱いて、うろたえながらこぼさないように見つめていると、やっぱり動かなくなるその時を想像して怖くなる。子供の寝息をことあるごとに確認してしまう気持ちに近い。
うーむ、ベストコンディション。夏の逃げ水みたいな、インチキめいた言葉だ。