ここには誰もいないよ

赤い公園を最近ずっと聴いている。 光り輝き方を選ぶことはできない、宇宙から訪ねてきたのなら、空気の濃度に体が慣れていかねばならない。 私ではない人になりたい、ここじゃないどこかへ行きたい、一人の夜でも日が昇るまで眠りたい...

バック、オーライ

永久になぜていてもすり減りもしない猫をなぜている。やはりすり減らない。 立派に成し遂げたことや大きくなり巣立つ家族があったから男は地べたに這いつくばることができた。でもそれは児戯の域をまるで出てない、まるで出てないねえ。...

面影

ガンダムのプラモデルが好きな子供だったな、そういえば私は。 おぼつかない手つきでニッパーを使って土台から切り離し、もう一度使ってバリを取り、ヤスリをかけて。 スプレーでムラを無くそうとするといつも厚塗りになった。 出来上...

ぼねんね

恋人の顔を忘れ、突き飛ばす夢で目覚めた。 息子はもう徳島のことはうろ覚えで、生返事が板についてくる。 渦は渦の形を覚えているのだろうか? 明日、めいいっぱい遊ぶこと 絶対に忘れろ!

習作・わたしがどこにもいない

今夜の何が問題になっていますか 通路はパンクの危機に瀕しており、大勢の人が永遠を待っています 購入したばかりのキャリーケースに綿菓子を1杯入れます 私の幼い娘は、座礁しても救う魂を持っています。 アハブを悩ます高潮 ドラ...

間食は許されない

妖艶なる紳士淑女に このまま盃を空け続けるか、刹那も惜しんで席を立ってもらうかを手っ取り早く決めていただきたく 音楽家は指を嬰へから動かすことはしなかった。 浮いた時間で出前を頼んだ あいにく音楽家の今いる場所が悪く、年...

丹陽にて

男はブコのフルフェイスいっぱいに涙を湛えて女を見つめるが、彼女が誰なのかどうしても思い出せない。その脇でガチャガチャと無遠慮な音を立ててスチール缶をより分けている老婆が詩人の手によって描かれ、センダンの木を思わせるその節...

見つけた

たしか生卵を、口から口へと移しあっていくシーンが強烈だった。人々が愛し合い助け合って、おいしくなるラーメンはお茶を濁す役目すら果たせなかった。 走る棺桶が僕を追い抜いて見えなくなる頃…ひとしきり笑った後の涙みたいな犬の遠...