「ものすごく高尚な手段をさ」
水際を遠くまで細かく跳ねる石、橋脚を目指していた。
「足りない頭の人でも、考えなくても選ぶことができるのがいけなかったんだね」
私はうなづいて、車輪に絡めとられて失った親指の妄想をする。
じゃあどこからやり直せばいいの、聞いてみることができない。
時間だ、彼は左腕を流れる血の色を眺めて呟く。
「冷え固まってガス管にこびりついた菜種油のそぎ落とし方」
「中足骨を圧迫しない最適な高さのラストを作る技術」
何の話?僕の与えられたもの、君の与えられたもの。
本当に考えなければいけないことは、身体の処遇でなくて投げられた石に対する一応の答えを連ねていくこと、その連続の厭わしさをどうやって打ち消していくか。
それだ、それだけなんだよ。