選択肢に挙がる

イカサマ師になろうと思い立ち、ギターを手に持ったように
あなたにも迷わずネクタイの柄を選べる日は来る。
その駒は最初からそこにあったのか、気づかれることのなかった空白のどちらかであって、
こんにち、ビルが建ち尽くし土に蓋をしつくし、
私の涙草木育てることなし、
今となっては、私の指すどんな手も
広告の意のままになってしまった。
概念がすし詰めの客席にドカンと腰を下ろしても
今日の疲れはとれないかもしれない
私の所作に滑稽さをかならず、かならず見出してくれよ、
昔の人よ、今の人よ。