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セカイ系って本当に苦手なんですよ。きらい。
幼馴染と同居して、親が海外旅行行きますみたいなやつ(そんなん見た事ないわ!という方。シャットアップでお願いします)。
短絡的でご都合主義的な発想でリアリティがなく、筆致が細部にまで行き渡ってない。
ハナからゴミを見つめてると決めてかからないと、これを求める人の情けなさに胸が痛む。
どの点で人を騙すのか。
騙すギリギリまで、徹底的に現実に沿った筆遣い。それが足りてない。

いやわかんないすよ、俺がプロレスというコンテンツに全く触れてないから、「騙されてあげる」という優しさのもとに成立するエンターテインメントに慣れてないのかもしれない。
しかし、自らの存在の毒性を認識していないコンテンツは恐ろしい。その悪影響を、作り手すら想像していない場合は特に。

ゴールディングの『蝿の王』を、世界で1番最初のリアリティショーであると断定して、その裏付けとなる、少年たちだけで無人島に漂着してしまった史実を紐解いた本を(軽く)読んだ。
同書を読むまでは、『蝿の王』的な展開は、類似する状況に私たちが陥った場合、不可避のものである、と私は決めてかかっていた。
この、「決めてかかる」というスタンスをもたらした『蝿の王』の毒性を、小説の、ドラマの、映画の、あなたの言葉の、毒性を理解しないと、狂ってるんだと、メインストリームから大きく逸脱してしまっているんだという事に情けなさを覚えないと、誰の心も掬い上げることができないまま、狭い世界に臭い息れだけを残して死んでいく。
鼻に残ったあなたの残り香を、家族や友人は長い事かけて取り除く羽目になる。

マクドナルドがあることを認められない言語と世界観で、私に語りかけないでほしい。
美しいものだけを見繕って取り沙汰すあなたの言葉は、結局キモくないセカイ系だ。
朝がもたらすものは暁光やメジロばかりではない。
カラスも11tトラックのマニ割りの音も連れてくるだろう。
全部抱きしめよう、キンキキッズだってそうやって歌ってるじゃない。