猫は跛ひき、跛ひいたままどこかへ行ってしまった。
あれじゃ遠くへは行けまい、だけど探しても見つからない。
風もないのに騒がしいのは丸ノ内線の通奏低音、
傍らの私めは、ぼんやりと欠伸をひとつ、ふたつ…。
三つ目をタッパーに持たせてくれて、階段を駆け下りる。
優しくもないおままごとはある。だけどみんな今日は月を見てる。
家に帰る。風呂かシャワーかを迷うまに恋を決める。
小さなジャスコに行きたいと彼女は歌った。
てんでバラバラに散らばって、粉々のガラス片だったね、僕らは。
それとも世界が?
意味深に咳ばらいをする。カーペットの染みの形を思いだしている。