閉所恐怖

「死後、さばきにあうんだってさ」
宇宙に行けない渋谷は自らをそれに変容させたがっているみたいだ。
生きた報いが欲しそうだ、それはセミがセミからずるりと脱出するときに現れる白くて細い管だ。
私は延々と上下動を繰り返すエレベータの心地を想像して、閉所恐怖に鳥肌を立てている。
コンビニのフライドチキンを包む紙袋、アスファルトをカサッとさする。
夜通し見つめていても、土には決して帰らない。
閉所恐怖。誰かのため息だったものを吸い込んで笑ったりしてる。