音楽で笑ったことはあるか。
トムとジェリーを浴びるように観た頃を思いだせばいい。
何事かは繰り返される。
16小節で、それよりも短いスパンで。
子供は親の笑う顔を見て、面白いとはなんであるのかを学び、それはちょうど私たちが間抜けな表情のまま見つめるテレビから受ける施しと似ている。
繰り返し繰り返され、私たちは笑顔のタイミングを学ぶ。
彼ら彼女らの中に型ができる。形式ができてくる。
もう一度もう一度、笑顔になることを願う。
何事かは繰り返されるから。
笑顔を願う気持ちが生まれ、後は、カタルシスの瞬間がいつ訪れるか、の問題に人はかかずらう。
遅いか、早いか。人々は待ちわびる。
笑顔は永遠に訪れないと、信じている人は少ない、なぜだろう?
人は知っているのだ。
何事かは繰り返されることを。
若い音楽家を見た。宇宙の果ての風をまとって…
彼女の口角がきゅっと上がる、その理由がくみ取れない時、私は再び彼女の音楽を浴びてみたいと願う。
謎は解き明かせる?
傲慢な思い付きだ。
私が知っていることはただ一つ。
すべての物事は繰り返されるのだ。