ガストーチの使い途

ガストーチを買って初めての使い途は、真鍮のパイプを曲げることだった。
母親を探し求めたり、泥砂を掴んだりした手でいつの間にか、真鯛を三枚におろしたり、逃げ溝を作らずに金属をねじ切ったりしている。
魚はどれだけ水を飲めるのだろう。
生れてから死ぬまで…すべてを鰓で濾しだして、ただの一滴も飲んでいないのだとしたら、彼らの見ている水とは何なのだろう。
わたしの濾しだしているものとはなんだろうか。
ガストーチを買って二回目の使い途は、足長蜂の巣を小さいうちに焼き切ることだった。