嫡果

綿を見てる

綿を見てる

摘み取られたばかりの綿を見てる

傍には桑の木と、彼以外の全ての蝉が役目を終えて死に絶えた後に這い出てきた蝉が摘み取られたばかりの綿を見てる

豪雨の中…灯りを囲む人々の瞳は優しく暖かいのに私の前にだけ霊柩車が止まり、灯りは絶えていて私はまた摘み取られたばかりの綿を見てる

綿を見てる

綿を見てる