土日は横須賀にいた。
4月ごろから、サークルの同窓会と、ちょっとしたライブを行える、密閉されていない雰囲気の良い空間を探していた。インスタベースという、レンタルスペースのポータルサイトでは中々条件に合うものは見つからなかった。細かい要望だが、どれひとつとして欠けてほしくなかった私は、ダメ元で飯島商店に連絡した。店主の高良さんは拍子抜けするほどあっさりと快諾してくださった。
同窓会はとても楽しかった。音頭を取る以外に能がない私にとって、渋々ではあっても神輿を担ぎ上げてくれる友人や後輩たちの存在はとてもありがたい。と同時に、乗っかるだけで満足している人がこの世に存在していることが信じられない。これは非難ではない。
実は誰しもが、ロールを必要としているんではなかろうか?と思えてならない。非常に偏った世界観なのだろうが、私は私以外の人間のことを知らない。
純然たるお客さん…他者の用意した出し物を、音楽を、料理を、与えられるがままに楽しむ人間の存在を私は疑う。繰り返しになるが、多分、相当に偏っている。
だから私は郡上おどりに向かう。ただの数字の1として、多数の来客のひとりとして過ごすことをこの体に覚え込ませる。ロールの全くない瞬間。私のことを少しも知らない人混みに紛れ込む行為は、私にとって謙虚さを学ぶ唯一の手段なのかもしれない