9/14

一日中腰が痛かった。私には足があり、見たところ足で地面を踏みしめて立っているはずなのだが、足に力が入っていない。そのことに今日初めて気がつく。座っていればなおのこと、である。人間の正しい立ち方、座り方とはなんであろうか。猫はいいな、動物はいいな、などと考える。言語と呼べるほどに口吻から発せられる音にバリエーションも共通認識もないから、身体のことを感じる時間を長く持てている、ように見えるからだ。生まれてこの方、感じることもなく余計なことばかり考えてきた魂よ。

行ったことのない国、または架空の国へと旅立つ道程を想像で補って文章にしてみようと考える。まずは何が必要だろうか。国際線の出ている空港の列挙、直行便の有無、空港までの電車による経路とその間の景色、ターミナルの番号、空港の道順とそこにある店、土産物屋、免税店のラインナップ、喫煙所、入国審査、パーサーや隣人の顔ぶれ、機内映画のラインナップ、着陸時の光景、光のトーンや気候、道ゆく人々の背の高さ、空港の清潔感、アナウンスの言語の響き、ドアをくぐった瞬間目の前に広がる景色と街路樹…。
軽く考えて列挙しただけでもかなりの素材が必要である。うーん。行ったことのある国を下地にした方がよっぽど簡単である