今日は早起き。5時台の空気の匂いはとても素晴らしい。何度でも記そう、多分タバコより美味い。そのままソファに横になってぼんやりとストレッチしていたら再び眠りについてしまい、予定が狂いに狂った。なんという不手際だろう。眠りの欲求には全線全敗。寝入りばなの心地よさはあらゆる快楽に勝る…気がする。
あらゆる快楽と書いたが、列挙できるほどの人生経験がない。あーだがしかしあれだ、私の愛する湯吉郎(清須市にあるスーパー銭湯である)には少しぬるめのお湯が流れている10cmもない底の浅い湯船があり、入浴者はそこに身体を横たえて、湯冷めしないように火照った身体を落ち着かせるのだが、あの風呂による快楽は天国に近い心地はするな。
後は芭蕉扇…というのだろうか、よく古代を描いた漫画で、中東かアジアの富豪が横に侍らせた女性に芭蕉の葉に似た扇を持たせ、仰がせている描写があるが、ああいったものに扇がれながら、こう…クエン酸とほんの少しの糖分の入った、爽やかな、ラッシーを炭酸で割ったようなモノなどを飲む。口が冷えるので、湯を掬って口に含んでゆすぎ、暖めた口内で葉巻の煙を燻らせる(もちろん燃え方の管理は侍従が行う)。窓の外には海が見えたり、雨に煙った山々が見えたりしている。どこにも辿り着くわけでも、目的地を私は知っているわけでもないが、どこか好ましい場所に連れて行かれている、という予感が私をワクワクさせる。
かと思えば、隣の席には商談をまとめている風の壮年のビジネスマンがおり、この後ランチを食べに行く銘店の話を永遠としている。片方は飲食業界の事情通といった口ぶりで、あそこのシェフは元々近所にある割烹の料理長だとか、値段の割に魚の鮮度が良いのはスタッフに魚河岸での競りに参加できる人間がいるからだ、などという、有益な種明かしを永遠と話しており、いつまで経っても飽きがこない。
日差しは…そうだな、徳島、それもお彼岸の頃の徳島の日差しが注ぐ。夕暮れは関東の真っ赤な夕暮れ。セミはクマゼミとミンミンゼミ、夕方はヒグラシのみ。
夜になると花火があがる。かぶりつきで見る必要はない。けれどナイアガラと呼ばれる類の花火は必ず見たい。
あとは…分からない。慎ましくて乏しい天国のイメージだ。。。眠りへの欲求が高まり、抑えが効かなくなってきたので眠ることにする。ごきげんよう。