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わたくし、学生時代は軽音楽サークルに在籍しておりまして、ベースを弾いてました。
学校の地下には、舞台と照明、音響設備の常設された多目的室があって(よく考えたらとんでもない好環境ですね)、定期ライブというものを3ヶ月に1回くらいのペースで開催していたんです。たしか。
基本的にはコピーバンド…すでに世に出たプロのバンドやミュージシャンをコピーして披露するライブばかりでした。
サークル員同士でオリジナルの楽曲を作る人達もいたんですが数は少なくて、オリジナルバンドっていうのは活動拠点をサークルでなく学外のライブハウス等に求めるもの…とされていたので、「外バン」と呼ばれていた、ような気がする。

…ていう内容を今キーボード叩いてしたためてたわけですが、すごいよ。すごいわよ。懐かしさが。
まだ、特に溜まり場としたい場所も思い当たらなくて、クラスの友人と所在なさげに喫煙所にたむろしていた頃の記憶やら、全面ガラス張りみたいな校舎に入った時の、空調の効き具合とか、最初の下宿先がある板橋駅のホームとか、ミンミンゼミとか(愛知にはミンミンゼミ殆どいない)、思い出した。

学生時代を思い出すにあたって、付随して時間に関する2つの感情と出会う。
ひとつは、18歳という年齢に、楽器を始めるには幾分出遅れてしまったという印象を覚えて、がむしゃらに音楽を聴いていた時の焦りの感情。
もう若くない、「好き」という感情をゆっくりと育てあげるには歳を取りすぎている。
あらゆる音楽、あらゆるベースラインを「語彙」として蓄えなければ、という焦りだった。
ほんでふたつめは、今30代半ばにして学生時代を振り返った時に、もうその、有り余る時間、むせ返っちゃって全部吐いちゃうんじゃないかと思うくらい濃厚な、濃厚なモラトリアムの時間の中で「若くない」と焦っていた自分に対する、…爆笑?

なんか、おもしろ可愛いですよね、昔の自分。
若さだけが持ちうる、選択の真実味みたいなものから、やっと解放されて、めちゃくちゃ適性があると思うけど1番好きでもない仕事と、別に愛着のない町、なんとなくで結婚した妻、どんどん暑くなる夏と、訪ねてくる友達のいない夜。

なにかから猛烈な勢いで目を背けているのかもしれないけれど、後ろを振り返る必要もない、おだやかな毎日で、後ろ髪引かれる気持ちも、ある意味娯楽みたいなもんだ。
…なんて言えたらいいなあ。30代折り返し。