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昨日は雨のせいかまるで動けず、ボーッと過ごす。法事以外に予定が無くて助かった。いやむしろ、予定がないことに託けて身体が弛緩しているきらいすらある。

最近は『NieR:Automata』というゲームの実況動画を見ている。創造主たる人類はすでに滅んでおり、遺されたアンドロイドの戦意高揚のため「だけ」に立案された壮大な嘘『ヨルハ計画』を巡る主人公3体(アンドロイドなので助数詞は体にします)の群像劇である(めちゃくちゃネタバレ、ニュアンスの微差を含んだ表現です、ごめんね)。

クライアントや雇用主から依頼された内容の本懐が、明示した目的の遂行でなく、受注者じたいになにかの影響を及ぼす事であるパターンは、一見するとあまりに滑稽で、非現実的に思われるかもしれないけれど、実際よくあることのように思える。端的な例を挙げるならお笑いの賞レースだろう。結成15年以内の、比較的若手のお笑い芸人の目標として、あの番組(おわかりいただけるだろうか)は当初機能していたように思う。今はどうか、知らない。とろサーモンが優勝した年以来、見ていないのであまり知ったふうな口はきけない。

さまざまな情報に対する、ただひたすらの受信者、お客さんとして生きてきたハイティーンまでの期間があって、仕事を得るにつけ、私たちはキャスト側として壮大なプロレスの歯車として機能せねばならない場面に、幾度か出くわしたりもする。その度に、テレビの前でボケーっと口を開けていた少年時代の私が、「こんなの嘘じゃん」と喚き立てる。
そうだね、嘘なんだよ。
でもね、それに関してはごめんねとは言わないよ。
ハイティーンの残酷な発言で的を射られたところで、開眼して目が覚めて、人としての真っ当な道を歩み出そうとリスタートを切る人なんかこの世には存在しない。
「それを言っちゃあおしまいよ」という合言葉を美徳として、大方の人は、色々な事を微笑んでやり過ごして、誰もが積極的に死ぬ事なく、老衰で亡くなることができるように嘘をつき続けているんだよ。

ロックミュージックとは、いったい何を成し遂げたのだろうか。銃口に花を挿して、LSDに塗れて、結局儲け話に繋がると踏んだ大人達に必要以上に拡大させられて、一体どこへ向かいたかったのか?
といった疑問を考えると、コアのない、依頼主たる人類の存在だけがぽっかりと不在のまま、不毛な争いに身をやつすアンドロイドの姿がぼんやりと脳裏に浮かんでくる。

われわれ大人達は、難しい語り口で以ってワンワン、とか、ニャーニャー、などとしか発言していないのだ。ハイティーンよ、騙されるな。目的なんかないのだ。飯を食べて、糞をひり出して眠るだけじゃカッコつかないと考えたおじさん達の言い訳を、言い訳だと断じるんじゃない。
いったい俺は何を言ってるんだろう。