追いつかれる

私は足元から拾い上げる、その顔は時に微笑んでいるようで、哀しんでもいたかもしれない。
十年経ち、二十年が経過して、私は旅行を続ける。
拾い上げた物事を、どこでそうしたか思いだす滑稽な旅である。
ひねっもーすと歌い始める、突然面白く感じる。
思い出に後足で砂をかける。
人には優しくしようと心がける。
車ばかりがどうしてこうも便利になっていくのか。
私はあの人にvivienne westwood のオーブをかたどったネックレスをプレゼントする代わりに…代わりとはなんだろうか。
比べることはできない。子供こそがしり得る事実だ。
ここでのんびりとしているうちに、作為に追いつかれてしまう。
つまらないものに蓋をする、大人たちのねぶり合う傷口を眺めている。