産湯

忘れものみたいな太々しさで嵐がやってくる中で、私は弁当の中身を覗かれ続けた。

それがどうにも我慢ならず、私は亜麻と葡萄酒をことさら憎み、友人の父らの無遠慮な流し目をすべて引っこ抜いた。

あいつら(小休止)電子レンジにあてられたポリスチレンみたいにしょげかえってさあ…レンジフードに効く強烈な洗剤がないって、どやしつけてくるんだ…

嫌な思い出が、どうして世のため人のためにならない?

何度だって言うが、俺はトレバー少年が助けた男の子に刺されて死ぬ架空の『ペイ・フォワード』を観て育った。デタラメの構造が違うのだよ。