夢日記を書くと危ないらしい。どこの誰かが過去にのたまった言葉のうろ覚えの記憶に苛まれたり、行動を阻まれたりする、不便な生である。
昨日は勤務先の(私はコーヒー焙煎の傍ら、運送業にも従事している。まだコーヒー一本では食っていけないからね)仲間に詰め寄られる夢だった。
「スピード感がないやつはダメだ。あたしは向いてないと思ったらすぐ離婚した。あんたは離婚もしないでいつまでもグダグダとしてるからダメなんだよ」
私は猛烈な怒りに駆られて、彼女をベーコンにしてやろうと思い立ち自転車のゴムチューブを辺りに求めた。
ところが炎天の中、8時間探してもゴムチューブは見つからない。かがんだまま、左手でアスファルトを撫で回しているだけだったからだ。
その間に、みるみる彼女の形状はゴムチューブに近づいていく。そこで目が覚めた。
所在も由来もあやふやな怒りを抱いて起きる朝。日が暮れるのが待ち遠しい、それが夏である。