塗り薬

「とっても不確かなことがあるでしょう?」

彼女は炎の中に丁子をひとつまみ入れる動作で祈りを捧げる。

また続きの話を聞かせてあげようと、席を立つそばから湯気が耳元に運んでくる叢雲…それを見つめる1匹の蟷螂。

やつの白眼にはありったけの迷いが含まれている。取り出して天袋のいっとう奥に仕舞い込む。明日はところによって曇り、その上空は、晴れでしょう。