「消しゴムばっかり食べおってからに!ひらがなも食わんか!」
使わない日本語がある。使いたいけれど使う機会が永劫にない。
使わなくてもいい日本語がある。これらは別々のものである。
忍者が気になる年ごろは大分過ぎた。
海外に行くと、私をジャップと認めた人たちはサムラーイとか、ニンジャーとかいう。
サムラーイはいい。お天道様の下を逃げも隠れもせず、腰に大小を携え、往来を歩いていたから。
ニンジャーはバレてちゃいけない。諜報部員だから。
どうして遠く離れた海の向こうの人々まで、遥か昔の極東で、独特の装束に身をつつみ暗躍した彼らについての情報が知れ渡っているのだろうか。
つまりどうして後世の我々は忍者の存在を知っているのだろうか。
伊賀と甲賀の忍者が有名…いや有名じゃだめでしょ。
それとも、もっともっと、おぞましい仕事をこなす部隊が存在していて、忍者は隠れ蓑なのだろうか。
想像できるものは存在する。
こんな言葉、なくなっちまえばいいのに。願うことがたくさんある。
どうか私の言葉よ、伝わらないで梢に当たって、伝わらないでそこで落ちていればいい。