名前が決めている

名前の付け方にとっても関心がある。ママの名前を冠した美容院は、その母数が増えてるような感じはしない。

縁起の良い言葉や地縁のある人物の名前、長続きするようにと願いを込めて、日本一の長編小説の名前を冠した喫茶店。最近はあんまり聞かなくなったな。

キリスト教の国で、原罪の一端となった知恵の木の実…リンゴだと言われてるけれど、その名を冠した会社が、世界を席巻しているのは、名前に負けなくてすごい、凡庸な感想を抱く。

イエス、なんて名前のバンドが、しっかりとclose to the edge みたいなとんでもない楽曲を残してるのは、すごい、またも凡庸な感想。

空気公団、なんて名前は発明で、当初彼らはその名前の持つ不可思議な世界観を如実に表現できていた…与えられた務めのようなものを、こなしていたように思えた。

唄ってよいこと、口にすべきではない事、それは残念ながら、厳然と個々人に由来して規定されている。

私たちは声に出したいものを目に留めるようにして暮らす。望みも夢もわたしの形に歪んで徐々に立ち現れてくる。