その海であなたはどんな泳ぎを見せるの

なにひとつ、うごかないようでいて、あなたがどんな波に洗われて、どんな日に焦がれてどんな風に唇を荒らしているのかわからない。もどかしげにどうか話してみてほしい。
小数点以下の余剰をほんの少しだけでも覗き見て、それが私の日々つけている勘定帳と足取りを同じくしてくれていたら嬉しいのだが。
腕に抱いている亡骸を捨てて。すべてが辺境であって、同じ菓子パンを食べていることに気が付いていながらも口にしない。おったてるものが何もない、みたいな顔をして機械的ミンチをウェル・ダンで焼き上げて、食い散らかして屑籠に皿ごと捨てて、歯を磨いて寝る。自分がどこから来たのかわからない理由は、電光掲示板にちかいふてぶてしさで雲を包んでいるのに、雨が頬を濡らすまで、濡らした後も、心を打たない。背骨から曲がって、首は垂れない。瞳は雲を見ている。雲を見ている私を雲に見ている。たどり着けない。喉、乾かない?服は着ていない。
あなたは待たされているのではない。滞っていることに怒りを隠せないだけで、遅刻はこの世から消され、あるのはあまりにも多く細切れの遅延。25秒で変わる信号機。視界を通り過ぎる32文字、すぐに忘れて怒りが目を赤茶けて濁らせる。
ずっとダンスを踊るしかなかった。今もそうかもしれない。