on your right side will open
なにひとつの反動を求めないで、ぴょんぴょんと飛び跳ねたり路地の真ん中で立ち止まってみたいものである。押さえつけられて固く収縮する僧帽筋の歌、頭蓋骨を足元高く保つ骨のゆらぎを想像しない、アメーバかゲル、はたまた一条の煙、そ...
なにひとつの反動を求めないで、ぴょんぴょんと飛び跳ねたり路地の真ん中で立ち止まってみたいものである。押さえつけられて固く収縮する僧帽筋の歌、頭蓋骨を足元高く保つ骨のゆらぎを想像しない、アメーバかゲル、はたまた一条の煙、そ...
「あなたって」 「糸ようじしてる時に一番誠実な顔をするのよね」 私の背中越しに鏡を覗き込んで、女が嗤う。なにやら事情通な話しぶりだが、あいにく誰だったか思い出せない 「お姉…おねえちゃん?」口には出せなかった。糸ようじし...
明日は『みんパタ暮らしの朝市』に出店します。 往来で人々が会話を交わす様を見ているのが好きでした。 車のスケールで町を拵えた愛知に越してからは、なかなかそういったものを目にする機会も乏しくなります。 みんパタの会場は、様...
プラットホームで待っていると、ベンチに腰掛け電話している見ず知らずの女性の、その声に聞き惚れて、電車を一本見送ったことがある。いつまでも聴いていたかったからだ。池ノ上駅だったかな。 いつまでも聴いていたくなる、これを会話...
「あぶない!私の大声に驚いて身を引くと、指を切ってしまうぞ!…言わんこっちゃないっ」 介抱しようと駆け寄る男の表情は、まだ笑みの整わぬ赤子のそれに似た純然たる不自然さを帯びている。 雲を見て雲だと言ったのは私が初めてでは...
あすにでも鳥になりたいと、常々口にしているが、君の手にあるのはどうみてもホットケーキじゃないか? フランボワーズのソースが鼻をツンと刺して… ほんとうに安らぎをほんとうに欲する人々が、進んで安らぎを遠ざけているのはどうし...
大声を上げて喚き泣く女を見て妻は演技だという。私の頭の中を駆け巡る想念が日本語を頼りに歩みを進めるように、彼女の嘆きというのも自然なものだったのではないか。口には出さなかった。私の考えはいつも遅すぎる後日譚だ。 ふいに懐...
「素晴らしい目的地は右側です。お疲れさまでした」涙の乗車券を身を寄せ合って吹き上げた後は、唾抜きもそこそこにそこら中に散らばった譜面を拾い上げるシギたち。待ち人はモンゴメリー・ワードの薄汚れたボマー・ジャケットを羽織り、...
明日の話をします。 愛知県津島市にて開催されます『みんパタ暮らしの朝市』にコーヒーとドーナツで出店します。 佐織線をかなたの山めがけて、勢いつけて西へ西へ…車を走らせた先に突如現れるのは、古い、今は使われておらず、がらん...
ヨナ抜きでご飯を食べている人が滲んでいく。世界の縁に投げ込まれた宗教勧誘をどうとらえる?なくした海に落ち来て、何度も何度も踏みしめる狭角の街灯。十字路に古びたバンドエイド、その血の広がるゴムボールが本当にここで牛の血を盗...