毎夜の逢瀬だな

ここんところ毎夜、暴走族の排気音を耳にする。愛知県はけっこう、「盛ん」な地域である。
興味のない人やこれから寝入る人にとっては騒音でしかないが、彼らは彼らなりに技術を競っているらしい。
ヒゲダンス (もしくは teddy pentergrass の do me だろうか) だったり、ドラえもんの昔のオープニングテーマだったりを、マフラーをぶった切って、よりdBを大きくした上でスロットルの絶妙な開閉で音程を生み出して演奏している、らしい。
又聞きだから確かなことはいえない。
聴いている限りでは、音程はそんなに広くないように思える。

この、マフラーから出る排気音のHzを多少上下させてリズムを奏でる遊びは、しかしながら全くアーカイブされることもなく、あるのは世界との対峙の仕方を鉄馬にまたがることで成し遂げたと感じた、若者らの寂しそうな眼付ばかりで、レコードして作品を生み出すこともなかったポップスの黎明期にあっては、同じような親世代の戸惑いや遠巻きに忌避する友人の姿なんぞが、そこかしこにひしめき合っていたのだろう。
おかげさまで、ロックは大手を振って出歩けるようになりました。
伝統芸能一歩手前?
形式ばかりが目に付くようになる。