全ては燃えるもの

雨降りの夜は光の追跡に終始する。

由来を探す。目に映る全ての光の、どこから私の目に飛び込んでくるのかを追い求める。その光がいま、なぜ途切れたのかを見極めるまで私はアクセルを踏むことができない。バンパーに妙な形の凹みを拵えるつもりはさらさらない。

早く家に帰り着いたり、時間を気にしているとまるで、早く死にたいのかな?極論。でもせっかちな人がそれに思い至らない筈がないのに、彼らより先にひとりの幼な子が、何かの偶然や不幸で命を落としている。死は一様に競り上がる床かもしれないが、そう見えないのは私が170cmの背丈にとじこめられて、1時間並ぶジェットコースターに痺れを切らしてしまうせいだろう。

私は誰かが昔話していたことをどんどんと忘れていき、印刷業者のとんでもない手違いで、席札の名前が全て『鈴木敬二』となった宴席に腰掛ける。ああそうなの、でもいいよこの名前で。

明日には別の仕事を夢見る。プライドと技術以上のゴミ屑を私はしらない。