今日は動き出しが遅めであった。誰かに連絡を取らねばならないのに、どうしてもそれが億劫で、全く筆が(キーボードを打つ手が)進まない。なんとなく気分が乗らず、なんとなく仕事を先送りにする。仕事が先送りになった分余った時間で、別の仕事を勢いづけて片付けるかといえばそうではなく、なんとなくで足を止めたまま、その場で座り込んでしまう。方々に迷惑をかける結果を招く、その必勝パターンである。
なにかの仕事を終えるのは気持ちいい。どうも人間はそういう生き物のようで、人々が携帯を…もっといえばスマホをしょっちゅう起動させる(開く、と言った方がより正確なのだが、スマホは物理的に開く折り目を持たない)理由のメジャーなものとして、アプリの右上の1とか2、といった数字を消去したい、といったものがあるらしい。
人間という生き物の行動パターンは、ここ10数年でだいぶ暴かれてきている、気がする。その知見は、企業広告の面でふんだんに利用されている。月並みで恥ずかしいが、マニピュレートされることにあまり快を覚えないので、とにかく逃げ回る。何かが流行ればそっぽを向き、CMが流れれば目を閉じ、駅を使わず…。そしてそれらの振る舞いを「意識高い系だ」と一括りに括られようものなら、最高速度で俗悪のるつぼへと飛び込む。
そこまでやっても誰かのマニピュレートの延長線上に私たちはいるもので…仕方なくがっくりと肩を落としたり、ため息をついて不潔な笑顔を浮かべてみたりする、瞳は揚々と輝きを失わないままに。