「こんなの、嘘つきじゃないか!ただの2時間を出せ」
男の怒声でポップコーンが踊る、いっぴきの年老いたシーズーがそれを食べる。
「僕らが観ている2時間に、どうしてこうも矢継ぎ早に何事かが起きるんだ!あいつら揃って、税金は納めたのか!」
彼の言動に心震えた紳士が、革手袋を脱ぐのもそこそこに手を叩きながらゆっくりと、彼に近づき、遠ざかった。今はもう雲の切れ間に微かに瞬く程度である。
使い古された言動でも、誰かの希望になればいい?客席にもたらされた静寂、スポーツとしての静寂、途中下車を許す静寂。
毎日ご飯を食べても飽きて箸を止めないような貪欲な厚かましさがあるよ。