今日も誰かの誕生日である。私にはそれがわかる。
東かどこかの国で作られた、安さと不確かな書き味がチャームポイントのマジックペンに綴られた謳い文句が私の眼球を釘付けにする。
「最初の絶対ビットの父を持つ 次の人生が利用可能にしたい」
「四色の外観 喜びを終える」
「芸術の壮大な作品あなたのあなたが値ど簡単ではありません」
おそらく現地の言葉をチープで精度の低い翻訳ソフトにかけて、それを添削もせずに貼り付け、プリントアウトしたのだろう。
全てが詩に見える。
私が空を飛べない理由を活字に起こしても、扉の向こうは留守のままだ。
日本語を知っているからこそ、たどりつけない日本語の山がある。