何でも良い

とある光景をパックして、未来永劫眺めて暮らしたい者どもが筆を持ったり、銅板に水銀の蒸気を当てたり、羊の腸を束ねて作る弦をピンと張ったり。

後はすべからくサステインの問題と顔を付き合わせるだけの日々で…浮かんできてもすぐ静寂に沈む音の波を、人は horizontal に動かし、お茶を濁し。

ドビュッシーが出てきてのちの世界で、パックしたい事柄はただ一つに集約された。

そうして、未来永劫途切れることなく続いて行ける一つの音が生まれた以上、私たちは今さっき生まれた音らを、もうどこにも、動かす必要がなかった。