かなたまで揺れる波を見てた、白く泡立って、飛び跳ねる波を見てた
しかるべき隠れ場所を見つけてタンカーは海を汚した
海底にあるものは本当に人の残したものなのか?
母のブラウスを汚して遊ぶ乳飲み子のような神が立ち寄った跡なのか?
私がくしゃくしゃと髪を掻き乱し、手のひらと額の間を抜けめなく通り過ぎる光よ
ドライブの行先を教えてはくれないか
膨大な記録を湛えてたゆたっていた、あの海
バイパスができるまで、誰にも気づかれずに稼働するあのタービン、屋根のギャンブレル
人の気配のする、誰も居ないガゼボ
西日の痕
ふやけたゴムボール
乾いて目の潰れた砂まみれの絨毯
土の気配がしない、清潔な場所と戸袋の埃